1958年に開場し、1964年の東京オリンピックのメインスタジアムとして使われた国立競技場。2014年の閉場までに、サッカーやラグビーといったスポーツやコンサートに湧いた、今も多くの人々の記憶に残る場所です。
2015年の解体に先立ち、この特別な場所から取り外し、保管しておいた自由席のシートが、3組のデザイナーの手によって新たに椅子に生まれ変わりました。ドリルデザイン、白鳥浩子、鈴木元が、日本の歴史遺産とも言えそうなこれらの座面を使って「スツール」「チェア」「2人掛けのベンチ」をデザイン。それぞれ個数限定で販売します。設計と製造は、カリモク家具が担当しています。商品にはカリモクのロゴの焼き印が押され、このシートが国立競技場で使われていたことを証明するプレートが付属します。
【第一回配送開始のお知らせ】
2015年9月29日(火)より、TOKYOスツール第一弾(200席)の配送を開始いたしました。ご購入日時が早い方よりお届けとなります。
今後の発送予定:
製造ラインの状況により、商品によって配送開始時期が異なります。大変申し訳ありませんが、ご了承頂けますと幸いです。
10月29日(木)(配送開始予定) TOKYOスツール
7月11日1:00~7月24日までにお申込頂いたお客様
11月24日(火)(配送開始予定)
TOKYOスツール 7月24日以降にお申込頂いたお客様
KOKURITSUベンチ/ponyチェア 全てのお客様
配送開始の詳細に関しては、随時本特設サイトにてご連絡致します。
ドリルデザインの「TOKYOスツール」は、小さく、軽やかなスツール。直線で構成した構造は一見華奢に見えますが、カリモクの厳しい品質基準、耐久基準をクリア。スツールとしての、十分な品質と強度を備えています。
「これを所有した人が、どのように使うのか。何を思うのか。何十年か後には、どんな存在になっているのか。そんなことを意識しながらデザインをしていました」。
「名前の由来は、東京タワーなのか、鳥居なのか。直接意識したわけではないのですが、直線的で軽やかさなフォルムがTOKYOのイメージに重なるように感じられたから」とドリルデザインの2人。
「シンプルな構造」と、プラスチックと木材による「素材のコントラスト」。そして「フォルムのバランス」。これら3つの要素をひとつにまとめ、無駄がなく、特徴的なカタチを作り上げました。
「家具とは、空間をつくる道具であり時間をつくる道具。そして人生をつくる道具。人間や空間と密接に関わるので、機能性だけでは表せない、魅力を含んだ存在です」というドリルデザインらしい、椅子としての、明確な美しさがあります。
「pony」は、白鳥浩子が「国立のシートは、誰かにとって記憶に残り、価値や愛着があったモノ。古くなったからといって破棄するのではなく、一部だけでもそのバトンを受け継いで、新しい住処、その先にある関係性を作れたら」と考えデザインした小ぶりな椅子。人を乗せ、思いを運ぶ架け橋としての「小さな椅子=ポニー」という意味から名付けられました。
その見た目に、どこかアンバランスさやユーモアを感じる理由は、腰を支えるように付けられた、チェアとしては小さな背もたれにあります。「何より、座面の愛らしい存在感や特徴的なフォルム、色を尊重したくて」と話す白鳥のデザインが、かつて国立競技場を彩った、青いシートの存在感を引き出しています。
国立競技場で人々が腰を下ろし、肩を並べたシートに脚を付け、そのまま家具として再現したような「KOKURITSUベンチ」。デザイナーの鈴木元は「青いプラスチックの座面は、スポーツ観戦のアイコン。座面の形や色、座ったときの温度、隣の席との距離感が、スポーツ観戦の平和な記憶に重なっています」と語ります。
家具を選ぶ際の自身の基準を「そのモノを一生使っている自分を、想像できるようなもの」と話す鈴木は、長く使えってもらえるようにと、隣りに座った人と時間や体験を共有できる、このベンチをデザインしました。2つ並んだ座面の幅は、国立競技場で使われていた当時のシートピッチを再現してあります。「古い街並みが美しいのは、そこに膨大な時間や記憶が埋まっているからだと思うんです。だから住人にとっては物理的な建物以上の存在になっている。このベンチが、モノに積もる時間や記憶の深さを考えるきっかけになれば」。 使い道がない短い木材を継いで作ったフレームもまた、シートと同様に、その背景を感じさせる素材。使っていくうちに、シートやフレームといった素材が持つ背景の上に、使う人それぞれの記憶が積み重なり、より愛着が深まっていくベンチです。1940年に木工所を創業。木材の管理や、設計・加工などの技術、耐久性や安全性における独自の品質管理基準を設けるなど、創業以来モノづくりを追求してきた日本最大の木製家具メーカー。高度な職人技と最新鋭の機械を組み合わせ、今も愛知県を中心に家具の生産を行っています。最高峰ブランドの「ドマーニ」、「Kチェア」で知られる「カリモク60」、現代の新たなスタンダードを目指す「カリモクニュースタンダード」といったブランドがあります。